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もう声オタには戻らないはずだった

爆走おとな小学生「GORILLA~ゴリラ~」感想などなど

爆走おとな小学生さんの「GORILLA~ゴリラ~」を観に行ったので感想など。

まず私がこの舞台を観に行ったのは、応援している声優の松岡一平くんの出演が決まったから。
おとな小学生さんの舞台のことはお友達から聞いていたので楽しみにしていたけど、こんなに自分の中で印象に残るとは思わず、本当に久しぶりに感想を書き残しておきたくなったので書く。笑
感想というか自分の覚え書きみたいなものなので舞台を見てない人には伝わらない感想ですw

ストーリーは、動物実験などにより今よりも進化したゴリラが、人間の戦争に兵器として使われ戦争をする、というのが大筋かな?
その中で、元々同じ群れにいたゴリラ同士が二手に分かれて争うことになります。

SFアクションと銘打っていて、特に後半はアクションシーンがかなり多く、舞台というよりは映画を観ているような感覚で見れた。
まあいろいろなメッセージが込められているんだろうなと思ったけど、個人的に1番共感したのは人間がいる限り争いごとはなくならないだろうという点。
物語の中では戦争という大きな話だったけど、結局私生活でも感情というものがある以上争いごとも絶対なくなることはないしね。私だって日常でももちろん平和が1番と思いつつ、戦わなきゃいけないときは戦うし。戦争とか言われるとどうしても自分と関係のない話だと思っちゃうけど、そういう大きな話を自分ごととして考えられたのはよかったかな。
でもこの物語では救いとして、感情がないと幸せという気持ちも生まれないという部分を分かりやすく描写してくれているから残酷な物語ではあるけど優しいな~と思った。いやある意味その矛盾はとっても残酷ではあるんだけど。
そしてそれは多分、種族の違いに依存しないのだろうと私は思った。

一平くんは今回初舞台ということだったけど、初めてでこんなに殺陣やダンスのある舞台をやるのは本当に大変だっただろうなと思う。
一平くんはあまり努力や苦労を外に見せないけど、多分私が想像するよりもずっとずっと努力したんだろうと思うし、もしかしたら、行き詰まったときもあったかもしれない。
でも本当にそんなこと少しも感じないくらい堂々と舞台に立ってダガーという役を演じてた!
ダガーという役は、主人公と同じチームにいて、一歩引いた立ち位置にいるキャラクターなので常に余裕というか、冷静さを持っていないといけない。だから役柄とはいえ、本人も少なからずその余裕がないと、多分演じられないんじゃないかなと思っていて、そして一平くんはあまりにも完璧ににダガーでした。
ダガーは一貫して人間が嫌いなんだけど、周りをよく見てるがゆえに辛い立ち回りになることが多いんだよなあ。人間が許せないという理由で戦うことを決めたのに、結局戦う相手はゴリラであるのも切ない。
「今の俺は冷静じゃない」というセリフがあるけど、多分ダガーは周りが見えすぎてしまうんだろうなーと思った。だから、その時その時で何をすべきかを優先して動いて本当は自分も望まないほうに動いてしまって、だからこそ「俺は俺が嫌いだ」なのかなーと。
かつての仲間を殺した後の「ばかやろうが」ってセリフがあるんだけど、楽日だけそれが「俺のこと、嫌いになっていいから」に変わってて最初はすごく違和感があった!
だって殺した相手に向かって「嫌いになっていい」ってめっちゃ傲慢じゃない?w嫌いになっていいってことは、今自分を好きであるという前提だし、しかも「なってくれ」じゃなくて「なってもいい」っていう「好き」のままでいる余地も残してる。だから最初はえー!?って思った。
でもよくよく考えると、それだけかつての仲間を信頼していたのかも知れないと。信頼していたからこそ、嫌いになれないんじゃないかと思ったのではないかと。
死んだら強制同調が解けるのか分からないけど、もしかしたらあのとき倒れているタナトスの顔を見て、操られていたことに気付いてしまったのかもしれないよね。
私はあの物語で1番優しいのはダガーだったなあって思った。

これは個人的な話ではあるけど、ちょうど2年前自信なさげに周りを目で追って振り付けを踊っていた一平くんはどこにもいなくて、人間こんな短時間でこんなに変われるんだと驚いたし、尊敬したし、本当にかっこいいと思った。
わたし2年間で何したっけ?って我が身を振り返ってしまうくらい。笑

そして私が今回死ぬほど泣かされたのがショーンとケール。役者さんは、花塚廉太郎さんと横田陽介さん。元々同じ群れにいて師弟関係なのだけど、戦争によって敵対することになってしまい、ショーン(先輩)がケール(後輩)を殺さなければいけなくなってしまうのですが。も~~そのシーンが本当に切なくて苦しくて、さすがに観劇の回数を重ねるごとに泣くことは減ったけどこのシーンだけは最後まで泣きっぱなしだった。
むしろ、そのラストを知ってからそれまでの物語を見ることでショーンとケールの親密さが伝わってきてしまって余計に泣けるシーンになるという。調べたらこのお二人、役者さん同士も以前から同じ舞台に長い間出ていたようで、やっぱり信頼関係ってこういうところにも出るんだあと思った。
ケールを殺した後の花塚さんの泣く演技がすごくよくて、感情が爆発したような号泣でもなく、内に溜め込んでるようなさめざめとし泣き方でもなく、本当に苦しさが伝わってくるような泣き方で。いいんだけどお陰でこっちも死ぬほど辛くなるっていうw

他に印象に残ったのはコエス役の新木さん、S911役の村上さん(脚本の方)かなあ。
革命軍(と勝手に呼んでいるw )二ダルとサヤフ兄妹もよかった。
アダラの梶原さんの身体能力と天真爛漫さを見ていて、アダラは彼にしか演じられなかっただろうなとも思った。

とにかくすごく苦しくて観た後にすっごく疲れるんだけど(笑)、それくらい没頭して観てしまう舞台だったし、一平くんがきっかけでこの舞台を観に行けてよかったなと素直に思った。一平くんの初舞台がゴリラで本当に嬉しい。
私がこんなに思うの、我ながらレアなので自分でも驚いてるよ!


ここからは話がずれるけど。

少し前に、いち観客の視点で思うこと(タイトルあやふやですみません)というブログが話題になっていて私も読んだのだけど、本当に「舞台観劇が趣味です」っていう人間、世間にはほとんどいないんだよね。
私も正直観劇が趣味なわけじゃない。なんなら映画館で映画を観るのも本当は苦手w何かを強要されるような空間が基本的に好きじゃないから。
ただ楽しいものやことが好きなだけのオタクです。

ゴリラも、一平くんが出演しなかったら舞台の存在すら知らずに終わってた。
だからもしかしたら制作側からしたらコンテンツそのものじゃなく、出演者を目当てに観に行くのって邪道な考え方なのかも知れないけど、私のような観劇が趣味じゃない人間からしたら、それってとても大事なんじゃないかと思っていて。
実際私はまた機会があったらおとな小学生さんの舞台を観に行きたいと思っているし。

何が言いたいかというと、楽しいと思うものなんてどこで出会えるか分からないのだから常に間口を広く開けておきたいものだなあと、お互いに。
何が正しいとか、こうであるべきとか、エンターテイメントには必要ないんじゃないかなと。
そんなことを改めて思いました。